精子の運動率を改善するには?造精機能低下の原因と鍼灸+サプリのエビデンス

こんにちは。大阪の不妊治療専門鍼灸院【SR鍼灸】です。

当院は女性だけでなく、男性の妊活に関するご相談も多くいただいています。

  • 精液検査で「数値が基準より低い」と言われた
  • サプリや生活習慣を見直しているのに、数値が変わらない
  • 大きな自覚症状はないのに、受精率や胚盤胞の獲得率が低い

このような状況に、戸惑いや焦りを感じている男性は少なくありません。

造精機能の低下は決して珍しいものではなく、「年齢のせい」「体質だから仕方ない」と片づけられてしまうことも多い一方で、身体の状態を見直すことで改善の余地があるケースもあります。

この記事では、造精機能低下の原因を整理した上で、コエンザイムQ10と鍼灸治療の併用による改善エビデンスを詳しく解説します。

  • 精液所見を改善するために何から始めればよいか分からない方
  • タイミング法や人工授精(AIH)で妊娠に至らず悩んでいる方
  • 体外受精で胚のグレードが思うように上がらないと感じている方

科学的根拠に基づいた具体的な改善アプローチを紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

男性不妊とは?不妊の約半数に男性側の原因がある

不妊の原因は女性にあると思われがちですが、全体の約半数に男性側が関与しているとされています。

引用:https://funin-fuiku.cfa.go.jp/dictionary/theme05/
  • 男性のみが原因:24%
  • 男女双方に原因:24%

つまり、約50%のケースで男性側の状態が妊娠に影響しています。

それにもかかわらず、「特に症状がないから大丈夫」「仕事が忙しくて後回し」と、男性が自身の状態を深く見直す機会がないまま妊活が進んでしまうことも少なくありません。

妊活は女性だけが頑張るものではありません。男性が身体の状態を正しく理解し、できることに取り組むことが、結果としてパートナーの負担を軽減し、妊娠の可能性を高めることにつながります。

男性不妊の主な原因

男性不妊の原因は、大きく3つに分けられます。一つだけでなく、複数の要因が重なっているケースも多いです。

造精機能障害(男性不妊の約83%)

精巣で精子をつくる機能が低下している状態です。精子がいない、精子数が少ない、運動率の低下、奇形率の上昇といった形で精液検査に表れます。

男性不妊の中で最も多い原因であり、この記事で詳しく解説していきます。

精路通過障害(男性不妊の約4%)

精巣で精子が作られているにもかかわらず、射精するまでの経路が塞がっている、または狭くなっている状態です。

生まれつき両側の精管がない場合や、尿道炎・前立腺嚢胞・小児鼠径ヘルニア術後などが原因となることがあります。

精路が閉塞している場合は、造影検査でどこに閉塞が起こっているかを調べた上で、精路再建術または精巣内精子採取術(TESE)を、パートナーの治療状況に応じて検討していきます。

性機能障害(男性不妊の約13%)

勃起しない、勃起しても射精できないなどの状態です。

勃起不全(ED) 勃起は血流・神経・ホルモン・心理状態などが複雑に関与して起こります。妊活中は「排卵日に合わせなければならない」「失敗できない」というプレッシャーから、妊活EDと呼ばれる状態に陥る男性も少なくありません。

射精障害 膣内射精ができない、射精までに時間がかかるといった射精障害も、妊娠を妨げる要因になります。

造精機能とは?精巣の働きをわかりやすく解説

造精機能とは、精巣で精子を作り、成熟させて一定の質を保つ機能のことです。

この仕組みは、精巣を「精子を作る工場」に例えると理解しやすくなります。

精巣という工場が正常に働くためには、以下の要素がバランスよく整っている必要があります。

  • 原材料:細胞、栄養、ホルモン
  • 運送・工場内環境:血流、精巣の温度管理、ストレスの程度
  • 管理体制:脳からの指令、自律神経

どこか一つでも不調が起こると、工場の生産効率が落ちるように造精機能が低下し、精子数の減少・運動率の低下・奇形率の上昇といった形で精液検査に表れます。

造精機能障害とは?「体質」で片づけられない改善の余地

造精機能障害とは、この「精子工場」の働きが十分に発揮できていない状態です。

「年齢のせい」「体質だから」と言われてしまうこともありますが、実際には以下のような身体のコンディションが影響しているケースも少なくありません。

  • 精巣への血流不足
  • 自律神経の乱れ
  • 栄養状態の偏り
  • 酸化ストレスの蓄積

つまり、身体の状態を整えることで改善の余地がある場合も多いのです。

次のセクションからは、具体的な改善アプローチとして科学的根拠のあるサプリメントと鍼灸治療について、研究データをもとに解説します。

【研究紹介】コエンザイムQ10の精液所見への効果

造精機能低下の改善には、生活習慣や血流・ホルモンバランスの最適化が重要です。栄養面のサポートとして、科学的根拠が報告されているコエンザイムQ10についてご紹介します。

コエンザイムQ10とは

コエンザイムQ10は、体内のミトコンドリアでエネルギー産生を助ける補酵素であり、同時に強力な抗酸化作用を持つ成分です。

精子はエネルギー消費が激しく、酸化ストレスの影響を受けやすいため、コエンザイムQ10の働きが特に重要と考えられています。

研究で示されている効果

近年のランダム化比較試験(RCT)やシステマティックレビューでは、原因不明の男性不妊においてコエンザイムQ10の摂取が精液所見の改善と関連する可能性が報告されています。具体的には、以下のような効果が示唆されています。

  • 精子の運動率の改善
  • 精子濃度・精液量の増加
  • 精液中の抗酸化力の向上
  • 酸化ストレスによる精子DNA損傷の軽減
  • ミトコンドリア機能改善による精子のエネルギー産生向上

抗酸化作用とミトコンドリア機能改善の両面からサポートが期待できる点が、コエンザイムQ10の特徴です。

参考文献:Efficacy and Safety of Coenzyme Q10 in Idiopathic Male Infertility: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Trials
World J Mens Health. 2025;43:e67.
https://doi.org/10.5534/wjmh.250159

【研究紹介】コエンザイムQ10+鍼治療の併用効果

ここからが重要なポイントです。

コエンザイムQ10は栄養面のサポートとして有用ですが、サプリメント単独では有意な改善がみられなかったケースでも、鍼治療を併用することで精液所見が有意に改善したという研究結果があります。

研究の概要

研究の対象と方法

25歳〜50歳の男性患者30名を、コンピュータによるランダム化で2群に振り分けて比較しました(ランダム化比較試験:RCT)。

  • コエンザイムQ10のみ投与群(15名)
  • コエンザイムQ10+電気鍼 併用群(15名)

※無精子症の方、過去3ヶ月以内のテストステロン摂取者は除外

結果

精子運動率

治療前治療後有意差
CoQ10+電気鍼群41.40% ± 13.3356.40% ± 11.78あり(p < 0.001)
CoQ10のみ群43.80% ± 17.6846.07% ± 15.13なし

有意に上昇(p < 0.001)

総運動精子数(TMSC)

治療前治療後
CoQ10+電気鍼群33.59 × 10⁶ ± 27.9178.63 × 10⁶ ± 58.38

有意に上昇(p = 0.001)

コエンザイムQ10のみの群では、運動率・TMSCともに有意な改善はみられませんでした。

特に注目すべきポイント

  1. コエンザイムQ10+電気鍼の併用で、運動率が約15%上昇
  2. 総運動精子数(TMSC)が有意に上昇し、サプリ単独群との差が明確

サプリメントの摂取だけでは数値が動かないと感じている方にとって、鍼治療の併用は検討する価値のあるアプローチです。

精液所見の改善には「3ヶ月」が一つの目安

精子は精巣で作られ始めてから射精されるまで、約74日(およそ3ヶ月)の期間が必要です。

つまり、今日始めたケアの効果が精液検査の数値に反映されるのは、約3ヶ月後ということになります。コエンザイムQ10についても、造精機能改善を目的とする場合は3〜6ヶ月以上の継続摂取が重要とされています。

「サプリを飲んでいるのに数値が変わらない」という方は、まだ十分な期間が経過していない可能性もありますし、サプリだけではアプローチできていない要因(血流・自律神経など)が残っている可能性もあります。

鍼灸治療は、こうしたサプリメントだけでは届かない身体のコンディション ― 精巣への血流改善や自律神経の調整 ― に働きかけることで、造精機能の改善をサポートします。

SR鍼灸の男性不妊治療 ― 実際のデータと治療の考え方

当院では、上記のような研究結果やこれまでの臨床経験、総院長が大学で行った研究結果を踏まえ、精子が作られる期間(約3ヶ月)を一つの目安として、お身体の状態や検査結果に合わせた治療計画をご提案しています。

SR鍼灸グループの男性不妊治療データ

  • 週に1回以上のペースで定期通院された患者さまのデータ(48名)
  • 現在通院中の患者さまは除外
  • 患者さまの平均年齢は37歳
  • 医療機関での検査結果からデータを算出

治療で大切にしていること

男性が自身の状態を正しく理解し、適切なケアに取り組むことは、妊娠の可能性を高めるだけでなく、パートナーの心身の負担を軽減することにもつながります。

当院(大阪・梅田)では、様々な研究結果と臨床実績を踏まえ、科学的根拠に基づく鍼灸治療を提供しています。採卵や胚移植が迫っており時間がない場合でも、最善の治療を提案いたしますのでご相談ください。

※総院長の研究結果の詳細など、詳しい内容を知りたい方は無料相談もございますので一度ご来院ください。

よくあるご質問

精液検査の数値が低いと言われました。鍼灸で改善できますか?

造精機能の低下には、血流不足や自律神経の乱れ、酸化ストレスなど、身体のコンディションが関わっているケースがあります。鍼灸治療はこうした要因に働きかけることで、精液所見の改善をサポートします。当院でも、定期通院された多くの患者さまで精子数や運動率の改善が確認されています。

鍼灸治療の効果が出るまでどのくらいかかりますか

精子は精巣で作られ始めてから射精されるまで約74日(およそ3ヶ月)かかります。そのため、まずは3ヶ月間の通院を一つの目安としてご案内しています。当院の患者さまのデータでも、3ヶ月以降に精液所見の変化がみられる方が多いです。

サプリメントだけではだめですか?

コエンザイムQ10などのサプリメントは栄養面からのサポートとして有用ですが、今回ご紹介した研究では、サプリ単独では有意な改善がみられなかったケースでも、鍼治療を併用した群では精子運動率や総運動精子数が有意に改善しています。サプリメントだけでは届かない血流や自律神経へのアプローチを鍼灸が補う形です。

夫婦で通うことはできますか?

もちろん可能です。当院は女性の不妊鍼灸と男性不妊の治療の両方を行っていますので、ご夫婦で通院される方も多くいらっしゃいます。不妊治療はご夫婦の問題ですので、お二人揃ってのご来院も歓迎しています。

まとめ ― 造精機能低下の改善に大切な考え方

不妊の原因の約半数に男性側が関与しており、その中で最も多いのが造精機能障害です。「年齢のせい」「体質だから仕方ない」と片づけてしまいがちですが、血流や自律神経、酸化ストレスといった身体のコンディションを整えることで、改善の余地があるケースは少なくありません。

今回ご紹介した研究では、コエンザイムQ10単独では有意な改善がみられなかった場合でも、鍼治療を併用することで精子運動率および総運動精子数(TMSC)が有意に上昇しており、サプリメントと鍼灸を組み合わせる意義が示されています。

精子が作られるまでには約3ヶ月かかるため、改善には一定の期間が必要です。だからこそ、早い段階で自身の状態を正しく理解し、できることから取り組むことが大切です。

それは妊娠の可能性を高めるだけでなく、パートナーの心身の負担を軽減することにもつながります。

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