胚移植の「自然周期」と「ホルモン補充周期」の違いとは?メリット・デメリットと着床率を専門家が解説

こんにちは。大阪の不妊治療専門鍼灸院【SR鍼灸】です。

胚移植の方法(自然周期、ホルモン補充周期)について、どちらの方法が良いのか悩んでいませんか?

「移植方法の選択で迷っている」
「自分に合うのはどちらか知りたい」

という方は多いはずです。

大阪の不妊治療専門鍼灸院である当院でも、多くの患者さまからこのご質問をいただきます。

そこで今回は、自然周期とホルモン補充周期の根本的な違いや、それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく整理しました

今回のテーマは「移植方法(自然周期、ホルモン補充周期)」についてです。

どちらが良い・悪いではなく、ご自身の生活スタイルや身体の状況に合わせて最適な選択ができるよう、それぞれの特徴を整理しました。

納得して治療を進めるための参考にしていただければ幸いです。

目次

自然周期とホルモン補充周期の根本的な違い

自然周期とホルモン補充周期の違いはなんですか?

大きな違いは、ご自身の排卵に合わせて移植する方法と薬で調整して排卵を起こさずに移植する方法ということです。

自然周期|自分の排卵リズムに合わせて移植する

自分の排卵リズムに合わせて移植する 自然周期での移植は、卵胞(卵子を包む袋)の育ちを丁寧に見守り、排卵のタイミングに合わせて移植日を確定させる方法です。

  • 移植日の決定:卵胞の大きさ、内膜の厚さ、そしてホルモン値。これらすべてが十分な数値に達しているかを確認します。
  • お薬の使用:必要に応じて、卵胞を育てるレトロゾールなどの排卵誘発剤や、内膜・ホルモン値を整えるエストロゲン製剤を使用することも珍しくありません。
  • ホルモン補充:排卵後の卵巣(黄体)から自前のホルモンが分泌されるため、多くの場合、黄体ホルモンの補充を最小限に抑えられるのが大きな特徴です。

ホルモン補充周期|薬で排卵を抑え、内膜を調整する

一方のホルモン補充周期は、お薬によって内膜を「着床しやすい環境」へと計画的に変化させていく方法を指します。

  • ステップ1:まずはエストロゲン製剤(貼り薬や飲み薬)で血中濃度を上げ、排卵を抑えつつ内膜をしっかりと厚くしていきます。
  • ステップ2:内膜が十分な厚さに達した段階で黄体ホルモン製剤を追加。内膜を「受け入れ体制」の整った状態へと導きます。
  • 移植日の確定:黄体ホルモン製剤の開始日を排卵日と見なし、スケジュール通りに移植日を決定します。

この方法では、自前のホルモン分泌がないため、着床後も妊娠8〜10週頃までしっかりとお薬を継続することが、妊娠維持の鍵を握ります。

※スケジュール通り確実に薬を服用することが非常に重要となります。

お仕事との両立で悩まれる方も多いですが、当院では夜21時まで診療を行うことでその負担を軽減しています。

鍼灸による「内膜の厚さ」へのアプローチ

治療の進め方は人それぞれですが、どちらの周期であっても内膜の厚さが7〜8mmを超えている状態が理想的と言えます。

当院では着床環境の改善を目的として、鍼灸によって子宮の血流が増加するポイントを刺激していきます。

子宮の血流が改善されると、内膜を厚くするために必要な栄養やホルモンの供給がスムーズになり、内膜の肥厚が期待できるようになります。

自然周期・ホルモン補充周期のどちらであっても、並行して鍼灸を行うことで、着床に必要な内膜の厚さをしっかりとサポートすることが可能です。

自然周期のメリット・デメリット(身体的負担と通院頻度)

自然周期とホルモン補充周期のメリット、デメリットを教えてください。

それぞれの特徴について詳しくご説明いたします。

自然周期の最大の特徴は、お身体が本来持っているホルモンバランスを最大限に活かせる点にあります。薬の使用量を抑えたい方に選ばれることが多いですが、一方でスケジュール調整の柔軟性も求められます。

自然周期のメリット

お身体への負担を最小限に抑えつつ、自然なリズムを最大限に活かして移植を目指せるのがこの方法の魅力です。

  • 自然な子宮内環境での移植:ご自身の排卵に合わせて移植を行うため、自然な状態に近い環境で移植が可能です。
  • 身体的負担、費用の軽減:ホルモン剤の使用量が少なく、お身体への負担や費用を抑えることに繋がります。
  • 周産期合併症のリスク軽減:ホルモン補充周期に比べ、妊娠高血圧などのリスクがわずかに低下するとされています。(※1,※2)

※全く薬を使用しない完全自然周期もあれば、お身体の状況に応じて排卵誘発剤や黄体補充を行うこともあります。

自然周期のデメリット

自然な流れを優先する一方で、お仕事との両立やスケジュールの立てやすさという面では考慮すべき点もございます。

  • スケジュール調整と通院の負担:排卵に合わせて日程を決めるため、直前まで予定が確定しにくいという側面があります。また、排卵日を正確に把握するための検査で、通院回数が増える傾向にあります。
  • 移植キャンセルの可能性:卵胞の育ちや内膜の厚さ、ホルモン値が基準に満たない場合、移植自体がキャンセルになる可能性もゼロではありません。
  • 適応できないケースがある:排卵障害や黄体機能不全がある方など、お身体の状態によってはこの方法が向かないこともあります。

ホルモン補充周期のメリット・デメリット(スケジュール管理と副作用)

ホルモン補充周期は、お薬によって子宮内膜の状態を計画的に整えていく方法です。

予定を立てやすいという大きな利点がある反面、妊娠後も継続的なケアが必要となる側面も持ち合わせています。

ホルモン補充周期のメリット

お薬の力を借りることで、お仕事やプライベートの予定を優先しながら、計画的に治療を進められる点が大きな強みです。

  • スケジュール調整がしやすい:お薬で内膜を育てていくため、生理開始日からある程度の移植日予測が立ち、予定を組みやすくなります。
  • 通院の負担を軽減:排卵の予測が不要な分、卵胞チェックのための通院回数を比較的少なく抑えることが可能です。
  • 幅広い方への適応が可能:排卵障害がある方や、自然周期では内膜が厚くなりにくい方など、多くの方に適応できる方法と言えます。

ホルモン補充周期のデメリット

計画的に進められる反面、お薬の使用期間の長さや、それに伴う身体的・経済的な負担についても理解しておく必要があります。

  • 身体的負担、費用が高くなる:長期間お薬を使用するため、費用がかさむ傾向にあります。また、貼り薬によるかぶれなどの肌トラブルが起こる可能性も否定できません。
  • 妊娠確認後も継続が必要:自前のホルモン分泌がないため、着床後も妊娠8週〜10週頃までお薬を飲み続ける根気強さが求められます。
  • 周産期合併症のリスクがわずかに上昇:自然周期に比べ、妊娠高血圧症候群などのリスクがわずかに高まるとの研究結果が出ています。

移植方法の違いで着床率に差はあるのか?

自然周期とホルモン補充周期どちらが着床率高いですか?

どちらの移植方法であっても、着床率や妊娠率に大きな差はないとされています。(※3)

これまで多くの研究が行われてきましたが、使用するお薬の種類や量、移植する胚のグレードといった条件がすべて同じではないため、どちらかが明確に優れていると言い切ることは難しいのが現状です

大切なのは自分に合う方法を見つけること

移植の方法(自然周期、ホルモン補充周期)には、それぞれに長所と考慮すべき点があります。そのため、一概にどちらかが優れているという結論は出ていません。

お一人おひとりの生活背景やお身体の状態に合わせて、納得できる選択をすることが何よりも大切になってきます。

まとめ

当院はお身体のサポートだけでなく、不妊治療の進め方に関するお悩みについても広くご相談いただけます。

何か不安なことがあれば、一度お問い合わせください。

胚移植でお悩みの方へ

「子宮内膜がなかなか厚くならない」「何回移植をしても着床しない」といったお悩みは、子宮血流の改善によって解決できる可能性があります。

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【参考文献・資料】
※1 左 勝則「生殖医療の安全性と有効性の探求:ARTレジストリー研究の成果と展望」臨床婦人科産科 79(6), 2025.
リンク:http://www.jsog-oj.jp/detailAM.php?-DB=jsog&-LAYOUT=am&-recid=44054&-action=browse

※2 片山 博子 ほか「胚移植方法の違いによる癒着胎盤及び妊娠高血圧症候群との関連性」現代産婦人科 73(2): 189-193, 2024.
リンク:https://tyuushi-obgyn.jp/kikanshi/vol73_no2/pdf/10.pdf

※3 Glujovsky D, et al. “Regimens for preparing the endometrium for frozen‐thawed embryo transfer.” Cochrane Database of Syst Rev, 2020.
リンク:https://www.cochranelibrary.com/es/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD006359.pub3/full/ja

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