【胚移植後のQ&A】よもぎ蒸しはOK?お灸は?着床時期の「温め方」の正解

こんにちは。 大阪の不妊専門鍼灸院【SR鍼灸】です。

胚移植を控えている方、あるいは移植を終えて判定日を待たれている方、毎日の過ごし方に迷うことはありませんか?
「安静にしていた方がいいのかな?」「これはやっても大丈夫?」と、ふとした瞬間に不安になることも多いと思います。

そこで今回は、当院に通院されている患者さまからいただいたご質問をまとめてみました。

今回のテーマは、特にご相談の多い「移植後の過ごし方」についてです。

ぜひ最後までお付き合いください。

目次

胚移植後は安静にすべき?寝たきりは逆効果の可能性も

移植後は安静にした方がいいですか?

基本的には普段通りの生活で問題ありません。

少し前までは移植後は安静に過ごすことを推奨されておりましたが、現在は過度な安静は必要ないとされている病院やクリニックも増えてきています。

胚移植後の過ごし方について解説した記事もありますので、ご一読ください。

最新ガイドラインでは「過度な安静は不要」

海外では胚移植後の過ごし方についての研究が行われており、移植後すぐに歩いても妊娠率に変化がないという報告もあります 1)

ASRM(米国生殖医学会)の胚移植ガイドライン(2017年)ではこれら多くの研究結果を踏まえ、胚移植後の安静には明確な根拠がなく推奨しないとしています。

また、過度な安静は骨盤内の血流低下を招く可能性があり、精神的なストレスの増加にもつながることが指摘されています。

そのため、移植後は特別な安静は必要なく、日常生活の範囲で体を動かして問題ないと考えられます。

移植後はできるだけリラックスして、普段通りの生活を心がけていきましょう。

息の上がらない程度のウォーキングで血流を促進させることも効果的です。

1) 参考文献
Mauro Cozzolinoら: Arch Gynecol Obstet. 2019 Nov;300(5): 1121-1130 DOI:10.1007/s00404-019-05296-5 [URL: https://link.springer.com/article/10.1007/s00404-019-05296-5]

移植後の「よもぎ蒸し」は大丈夫?着床時期の注意点

移植後によもぎ蒸しに行っても大丈夫ですか?

胚移植後のよもぎ蒸しは避けていただくのが安全です。

よもぎ蒸しにより着床率が改善するかどうかを検証した研究が少なく、十分な根拠が確認されておりません。

よもぎ蒸しは、韓国などで古くから親しまれている民間療法で、薬草の蒸気を浴びて体を温めるため、冷え性対策として有効と言われています。

普段の温活として行うのは良いことですが、胚移植後の実施については、着床率が改善するという医学的な十分な根拠が確認されておりません。

また、着床の時期は子宮内の環境が非常に繊細で、わずかな変化でも影響を受けやすい時期です。

よもぎ蒸しは下半身を中心に温熱刺激を与えるため、一時的に体温が上がり骨盤内の血流が急に変化します。
この温熱刺激がかえって悪影響を及ぼす可能性も否定できません。

そのため、安全を考慮し胚移植後は控えていただくことをお勧めします。

体を温めるなら「足湯」や「腹巻き」など負担の少ない方法で

冷えが気になる場合は

  • 足湯
  • 下腿への温灸
  • 腹巻き

など、負担が少ない方法で体を温めるのが効果的です。

胚移植後にお灸をしても大丈夫?着床を助けるセルフケアの効果

移植後にセルフケアでお灸を行っても大丈夫ですか?

大丈夫です。

胚移植後にお灸でセルフケアをしてもらうことで、血流改善やストレスの軽減の効果が期待できます。

自律神経と子宮血流の関係

お灸による温熱刺激は皮膚にある温度受容器を刺激し、その信号が神経を通じて脊髄に伝わります。そこから自律神経系(交感神経、副交感神経)を調整する反射が起こります。

これを「体性-自律神経反射」といって、体の表面への刺激が内臓の働きに影響を与える仕組みです。

交感神経が抑制(血管拡張)、副交感神経が促進(臓器機能の調整)により体の不調が改善するとされています。

子宮は交感神経と副交感神経の両方の支配を受けていて、交感神経が優位になると子宮が緊張して血流が減り、副交感神経が優位になると子宮がゆるんで血流が良くなります。

着床の時期は、子宮が柔らかく血流の良い状態であることが大切になるため、お灸でリラックスして副交感神経を高めることは良い影響が期待できます。

鍼灸治療と妊娠率に関するデータ

また、2回以上胚移植が陰性となった方を対象とした研究では、鍼灸を行うことで病院単独での移植より高い妊娠率であったと報告されています 2)

胚移植の際はお灸のセルフケアと当院の治療を組み合わせていただくことがオススメです。

当院の治療について

子宮血流の増加により内膜を肥厚させ、さらに着床の時期に子宮の緊張を緩和させることで着床率の上昇が期待されます。

※子宮の緊張を緩和させる治療方法は、当院の総院長と大学の共同研究で確認しています。

2) 参考文献
Isoyama Manca di Villahermosa D, et al. : Acupunct Med. 2013 Jun;31(2): 157-61.
[URL: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23512550/ ]

まとめ

  • 移植後は過度な安静を避け普段通りの生活を心がける。
  • よもぎ蒸しなど極端な体温変化を起こすものは避ける。
  • セルフケアのお灸と鍼治療は子宮の血流増加や緊張緩和、ストレス緩和など効果的。

不妊治療の過程で疑問が生じたり、治療の進め方に関するお悩みも多いと思います。

治療の内容や体の変化について不安を感じたときは、どうぞお気軽にご相談ください。

SR鍼灸大阪では、様々な研究結果と臨床実績を踏まえ科学的根拠に基づいた治療を提供しています。

無料相談も実施しているため、まずはお気軽にご相談ください。

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